微睡み

微睡みの中でしか会えない人がいる。
男なのか女なのか、歳を召しているのか若いのか、大柄なのか小柄なのか、
そう言ったことは何もわからない。

その人と私は何か会話をすることはない。
ただ、私が何事かに悩んでいる時、その人は道を示してくれる。
具体的に声を聞いたわけではないのだが、その人と出会ってから目覚めると、大抵の悩み事の解決方法を私は得ている。

だが、目覚めている時は無論、深く寝入ってしまってもその人には会えない。
夢と現のちょうど狭間でしか会えないのだ。

そこで私は考えた。
程よい微睡みに簡単に浸かることができるようになれば、意図的にその人に出会えるのではないかと。
そうして長い年月をかけ、ついに私の発明は完成した。それが──。

 

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「って感じでできたんじゃないかと思うんだよね。こたつ」
「真剣に聞いた俺がバカだったわ」